Saturday, September 22, 2007

補欠選挙の波紋 (2007/09/22)

『補欠選挙の波紋』

「先日のケベックの補欠選挙は3つの選挙区で行われたが、NDP(新民主党)1、保守党 1、BQブロックケベコア 1で、自由党はゼロだった」

「マスコミや政治評論家はその辺りを予想していたから、大体予言通りだったわけだが、それにしても自由党が全敗したとは驚いた。 1週間たってもまだ余震が続いている」

「特にモントリオールのウートルモンは、フランス系ブルジョアの本拠だ。 1935年以来、1回を除いて、自由党を絶えず選び続けてきた。 そこへ社会民主主義政党のNDPが切り込んで勝利宣言をあげたのだから驚天動地」

「何故70年も続いた富裕なウートルモンが今回は左翼に票を投じたのだろう」

「それは補欠選挙特有の低い投票率のせいもあるが、この上流階級の選挙区に近年フランス系以外の新しい移住者が移り住んできた。 その人達の心をつかんだのが、元々州レベルの自由党系の政治家で、NDPの誘いを受けて立った候補者だった」

「一方、郊外で今までBQの牙城だった選挙区では、人気のあった元市長を保守党がかついで議席を獲得。 大きなくさびを打ち込んだ。 これもケベックの分離独立の熱気に冷水をかけることになるだろう。 保守党は、次の総選挙で是非とも過半数を制したいところだが、そのためにはケベックでの党勢を伸ばすことが先決。 その大事な局面にさしかかっているから、この一勝の意義は大きい。 それに保守党が最近極右から中道へと少しずつハンドルを切りつつあることも幸いしたものと思える」

「この前は補欠選挙が風の流れを示す『風見鶏』と呼んでいたが、カナダ全体に同じような風が吹き始めるきっかけとなるのだろうか」

「いや、過去の政治に通じるポリティカル・アニマルによると、『補欠選挙と総選挙は全く別だ』と言うんだよ。 今回の補欠選挙は、確かに自由党の惨敗に終わったけれども、次の総選挙で自由党が巻き返してくる可能性は大いにある。 今は自由党のディオン党首も敗者として鞭打たれているが、このまま消え去るとは思えない。 カナダの近代史をみると、その治世の大半は自由党だ。 自由党が万年政府党と呼ばれるゆえんだが、来月10月に召集される新しい議会が総選挙を呼び込むことになるかどうか、こればかりはハーパー首相でもご存知あるまい」

(2007/09/22)

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