山田監督の映画 (2006;09/16)[s]
映画のお話、有難うございました。 お名前の件も寛大なお気持で助かりました。
山田洋次監督は、私と同じ年齢ですが、頭のつくりによって、こんなにも能力に差があるものかと、素晴しい筋の運びにいつも唸りっぱなしです。
あの人は、中学の時、引揚げてきて、食うや食わずの戦後の大阪で生き抜くための一家総動員で働いたのですね。 「寅さん」がみんなと食卓を囲んで、団欒のうちに食事するなんて、自分では経験されたことも無かったのだそうです。 だからあれが山田監督の夢だったようですね。
一方「タコ社長」はカマチに坐っていて、決して畳の上に上がってこない。 これも山田監督一流の、人間喜劇の構図の布石だったのでしょうね。
戦後の極貧を経験してきた私には、あの全編を流れるマズシさが心を打つのです。
私が、山陰の大学を出てバンクーバーに研修に来ていた若い精神科の女医さんに、「寅さは面白い」と言ったら、「私も面白いとは思うんですけどねえ」と煮え切らないような返事。 「こんな先生に昭和一桁の苦悩が判るはずがない」と諦めました。 そのことをNHKの早大出の若いディレクターに書いてやったら、「僕も『面白いとは思うんですけどねえ』という程度」と正直な反応に世代の違いを感じました。
山田監督は、ウィリアム・ワイラーを高く評価していますが、私にしてみれば、ワイラーより山田監督の方が、心を打つ作品を沢山出していて、私もその恵みに預かっている一人です。 全部みていないのですが、あの中に道徳精神が脈々と流れていて、修身よりも効果的だと思うのです。
重松彬 (o6/09/16)
山田洋次監督は、私と同じ年齢ですが、頭のつくりによって、こんなにも能力に差があるものかと、素晴しい筋の運びにいつも唸りっぱなしです。
あの人は、中学の時、引揚げてきて、食うや食わずの戦後の大阪で生き抜くための一家総動員で働いたのですね。 「寅さん」がみんなと食卓を囲んで、団欒のうちに食事するなんて、自分では経験されたことも無かったのだそうです。 だからあれが山田監督の夢だったようですね。
一方「タコ社長」はカマチに坐っていて、決して畳の上に上がってこない。 これも山田監督一流の、人間喜劇の構図の布石だったのでしょうね。
戦後の極貧を経験してきた私には、あの全編を流れるマズシさが心を打つのです。
私が、山陰の大学を出てバンクーバーに研修に来ていた若い精神科の女医さんに、「寅さは面白い」と言ったら、「私も面白いとは思うんですけどねえ」と煮え切らないような返事。 「こんな先生に昭和一桁の苦悩が判るはずがない」と諦めました。 そのことをNHKの早大出の若いディレクターに書いてやったら、「僕も『面白いとは思うんですけどねえ』という程度」と正直な反応に世代の違いを感じました。
山田監督は、ウィリアム・ワイラーを高く評価していますが、私にしてみれば、ワイラーより山田監督の方が、心を打つ作品を沢山出していて、私もその恵みに預かっている一人です。 全部みていないのですが、あの中に道徳精神が脈々と流れていて、修身よりも効果的だと思うのです。
重松彬 (o6/09/16)

0 Comments:
Post a Comment
<< Home