Tuesday, September 25, 2007

ドルをめぐって (2007/09/25)

『ドルをめぐって』

「先週カナダドルが短時間ながらも米ドルでパーのマジックラインを抜いて、カナダドル復権の望みを果たしたね。 カナダ人にとっては大変な心理的なブーストだ。 5年前は62セントを割っていたのだから。 カナダ市民も強くなったカナダドルを持ち、国境での2時間の通関時間もものかは、米国でのショッピングモールに出掛けている」

「このところカナダドルも上昇に弾みがついていたから、強気のエコノミストも『パーは年内に実現するだろう』と言っていたのだが、意外に早く9月のうちに瞬間風速ながらそのラインを突破した。 この先カナダドルがさらに米ドルの1ドル10セント、1ドル20 セントまで行くかどうかは投機筋の出方方次第。 19世紀には米ドルで2ドル以上していたこともあるそうじゃないか」

「米加のドルがパーになったのは1976年以来のことだが、カナダドル安が30年も続いたのは、バンクオブカナダの自制的な通貨政策と、その影響で失業が長期間減らず、それに生産性も設備の有効利用が比較的低かったからだと言えるだろう。 しかしここへきて、石油の値段は上がるし、鉱産物も強含み、小麦の価格も高騰と、カナダにとって有利な条件が揃ってきた」

「確かにカナダ経済が現在好調なのは内外が認めるところだが、それだけがカナダドル高の要因ではない。 米ドルに対して強くなっているのは、日本円もポンドもユーロも同じ。 つまり米国のサブプライムが引き金となって起こった住宅市場の破綻と、国際収支の赤字が、米ドル安を演出したことはご承知の通りだ。 そしてリセッションに落ち込む恐れも出てきている」


「カナダの産業の重心はオンタリオとケベックの製造業だが、これがカナダドル高のため深刻な打撃を受けている。 事業所の縮小と閉鎖が相次ぎ、失業も増加中。 それに加えて中国からの輸入品が米加の市場に氾濫しているから、カナダ産品も片隅に押されて米国のみならず世界市場でビジネスが難しくなってきている」

「となると、人口も経済も米国の十分の一のカナダはまた肺炎になるのか。 カナダも今の経済のファンダメンダルズに安閑としてはいられないということだね。 それにしても米国民は、カナダが米国の最大の貿易相手国であることを知っているのだろうか」

「それは過去の話。 今やカナダは最近トップの地位からずれ落ちて、中国が米国最大の貿易相手国に取って代わった。 グローバル経済も諸行無常で暮れるというわけだ」

(2005/09/25)

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