政界も夏休み (2007/06/19)[s]
(政界も夏休み)
「間もなくオタワの議会も夏休みに入るが、この会期は怒号と冷笑の渦巻く憎悪の応酬だったなあ。 ああいうのが『カナダ的政治』の御定まりなのかね」
「まさか! しかし嵐が吹くのは何もオタワに限るまい。 永田町でも荒れることはあるだろう。それにしても思い出すのは昔のウォールストリートジャーナルだ。 当時オタワを牛耳っていたのは才気煥発のピエール・トルドーだが、アメリカの新聞記者からみれば、それでも『眠気を催す』と評されたものだ。 そして『オタワよりビクトリアのブリティッシュ・コロンビアの州議会の方がよっぽど面白い』と一刀両断。 新民主党のデーブ・バレットの研ぎすました舌が冴えていた頃だ」
「しかし今のスティーブン・ハーパー首相も『ブリリアントだ』とカナダのジャーナリストは認めているじゃないか」
「それはそうだが、ただ毒気の効いた調味料がピリリと辛過ぎる。 今はエネルギー資源開発と平衡交付金をめぐって大西洋沿岸諸州を敵にまわしているが、その昔ハーパーが野に在った時代にカルガリーから『大西洋沿岸州は敗北主義だ』という毒矢を放ったことには後悔しているだろう。 記者達は忘れっぽくないからね。 何時までも亡霊を呼び戻してくる。 ハーパー自身、ルーツは大西洋沿岸なんだがなあ」
「それにもう一つ。 やはり野党時代に、地球温暖化の警告を毛嫌いしていたハーパーは、『あれはエネルギー産業から金を搾取しようとする社会主義者の陰謀だ』と罵倒した。 ここへ来てブッシュまでが地球温暖化防止策に少し構えを斜めにずらしてきている。 ハーパーも忘れたいところだろうが、意地悪ジャーナリストはカルガリーの古新聞を探し出して、このハーパーの失言を雀蜂のようにブンブン唸らせている」
「そう言えば、この前もトロントの高校生が学校の廊下で同級生に射殺されたが、オンタリオ州首相やトロント市長の『短銃だけでも禁止して』という切なる願いを、『今は悲劇を政治に利用すべき時ではない』とにべもない。 あの能弁多弁な保守党領袖が口をへの字につぐんでいるのは、ハーパーの発言管制が行き届いているからかな」
「それでは保守党の支持率にも影響するだろう」
「保守党は現在40%。 自由党の40%と変わらない。 しかし一枚岩にみえた保守党も、その内側をみれば、アルバータでゼロから始まったリフォーム党、それが発展してアライアンス、そしてハーパーとピーター・マッケイ進歩保守党党首が手を組んで現在の保守大合同が実現した。 だから内紛の火種は消えているわけではない。 そして昨年1月、ポール・マーティン自由党の足並みの乱れに乗じて、少数与党ながら政権を拾った。 そして白馬の騎士ハーパーの颯爽たる登場をみたのだが、それからはや16ヶ月。 そのギャロップにもたるみが出てきてもおかしくない時期だ」
「ステファン・ディオン自由党も、党首の英語がハンディキャップで、それにカリスマにも問題はあるが、ディオンの人気下降も一応底をついた。 これからは上昇の一途だろう。 選挙も『急いては事を仕損ずる』から、自由党もブロック・ケベコアも新民主党も慌てる気配はない。 この分だと総選挙は来年春になるかもしれないよ」
「夏休みで議員諸侯にも熱した頭を休めてもらって、秋からは面目一新、マナーもクールに、言葉も文明人らしく、レディース・アンド・ジェントルメンにふさわしいの討論を再開していただきたいものだ」
(07/06/19)
「間もなくオタワの議会も夏休みに入るが、この会期は怒号と冷笑の渦巻く憎悪の応酬だったなあ。 ああいうのが『カナダ的政治』の御定まりなのかね」
「まさか! しかし嵐が吹くのは何もオタワに限るまい。 永田町でも荒れることはあるだろう。それにしても思い出すのは昔のウォールストリートジャーナルだ。 当時オタワを牛耳っていたのは才気煥発のピエール・トルドーだが、アメリカの新聞記者からみれば、それでも『眠気を催す』と評されたものだ。 そして『オタワよりビクトリアのブリティッシュ・コロンビアの州議会の方がよっぽど面白い』と一刀両断。 新民主党のデーブ・バレットの研ぎすました舌が冴えていた頃だ」
「しかし今のスティーブン・ハーパー首相も『ブリリアントだ』とカナダのジャーナリストは認めているじゃないか」
「それはそうだが、ただ毒気の効いた調味料がピリリと辛過ぎる。 今はエネルギー資源開発と平衡交付金をめぐって大西洋沿岸諸州を敵にまわしているが、その昔ハーパーが野に在った時代にカルガリーから『大西洋沿岸州は敗北主義だ』という毒矢を放ったことには後悔しているだろう。 記者達は忘れっぽくないからね。 何時までも亡霊を呼び戻してくる。 ハーパー自身、ルーツは大西洋沿岸なんだがなあ」
「それにもう一つ。 やはり野党時代に、地球温暖化の警告を毛嫌いしていたハーパーは、『あれはエネルギー産業から金を搾取しようとする社会主義者の陰謀だ』と罵倒した。 ここへ来てブッシュまでが地球温暖化防止策に少し構えを斜めにずらしてきている。 ハーパーも忘れたいところだろうが、意地悪ジャーナリストはカルガリーの古新聞を探し出して、このハーパーの失言を雀蜂のようにブンブン唸らせている」
「そう言えば、この前もトロントの高校生が学校の廊下で同級生に射殺されたが、オンタリオ州首相やトロント市長の『短銃だけでも禁止して』という切なる願いを、『今は悲劇を政治に利用すべき時ではない』とにべもない。 あの能弁多弁な保守党領袖が口をへの字につぐんでいるのは、ハーパーの発言管制が行き届いているからかな」
「それでは保守党の支持率にも影響するだろう」
「保守党は現在40%。 自由党の40%と変わらない。 しかし一枚岩にみえた保守党も、その内側をみれば、アルバータでゼロから始まったリフォーム党、それが発展してアライアンス、そしてハーパーとピーター・マッケイ進歩保守党党首が手を組んで現在の保守大合同が実現した。 だから内紛の火種は消えているわけではない。 そして昨年1月、ポール・マーティン自由党の足並みの乱れに乗じて、少数与党ながら政権を拾った。 そして白馬の騎士ハーパーの颯爽たる登場をみたのだが、それからはや16ヶ月。 そのギャロップにもたるみが出てきてもおかしくない時期だ」
「ステファン・ディオン自由党も、党首の英語がハンディキャップで、それにカリスマにも問題はあるが、ディオンの人気下降も一応底をついた。 これからは上昇の一途だろう。 選挙も『急いては事を仕損ずる』から、自由党もブロック・ケベコアも新民主党も慌てる気配はない。 この分だと総選挙は来年春になるかもしれないよ」
「夏休みで議員諸侯にも熱した頭を休めてもらって、秋からは面目一新、マナーもクールに、言葉も文明人らしく、レディース・アンド・ジェントルメンにふさわしいの討論を再開していただきたいものだ」
(07/06/19)

0 Comments:
Post a Comment
<< Home