スローンスピーチ (2007/10/19)[s]
『スローンスピーチ』
「10月も半ばを過ぎ、オタワに霜がおりようとしている時季になって、やっと議員達も夏休みから戻ってきて、議事堂も再開したね」
「夏休みと言っても、議員達は日光浴をしていたわけじゃない。 選挙区で有権者を招いてバーベキューを振舞ったり、次の総選挙に備えて票固めに余念がなく結構忙しかった」
「議会再開は、恒例によって華麗なスローン スピーチの行事。 カナダの元首はエリザベス女王だが、その代理として女王の椅子にすわるのが総督。 今の総督は、ハイチ生まれの黒人女性 ミカエル ジョンさんだが、議場に用意された女王の玉座、すなわちスローンにすわり、隣にフランス出身の夫君をはべらせて、政府が用意した施政方針を読み上げる。 象徴的な意味合いの強い儀式だが、内容は今後の政府の政策の大綱を示す概論的なもの。 それを書いたハーパー首相をはじめ、閣僚や政府要人、それに上院下院の議員達、そして内外の貴顕紳士淑女が並ぶ中、英仏両語で朗読される」
「総督のまん前にすわってサンタクロースのような衣裳を着た男女のグループは?」
「あれは最高裁判所の判事達。 今年のスローンスピーチは39分だったが、テレビで全国に中継された。 ハーパー首相のアイディアだろうが、プライムタイムに放映するのは初めてのことだそうだ」
「今回は厳正な『法と秩序』の確立を先ず掲げていたが、アフガニスタン、環境対策、銃砲規制、減税など、かねての保守党の主張を追認した形だ」
「もしこれに野党3党がこぞって反対すれば、即解散、総選挙になるが、州レベルでもニユーファンドランドやオンタリオの選挙があったばかり。 サスカチュワンも選挙を控えている。 国民にしてみれば『またか』という感じかもしれない」
「国政をあずかる保守党もつい最近まで支持率は野党自由党と拮抗していたが、ここへきて自由党より優位になってきた。 瞬間的に40%をマークしたが、40%なら、多数派政権が可能になる。 そうなれば直ぐにでも総選挙をしたい所だ。 だが今はまだ慎重に構えている。 時機の熟すのを待っているのかな」
「このスローンスピーチには、BQブロックケベコアもNDP新民主党も不信任案を出す姿勢だが、もし自由党が合流すれば即時解散総選挙という筋書きになる。 しかし自由党はケベックの補欠選挙の惨敗で危機的状況にある。 加えて元首相のジャン クレチアンが内紛に火に油を注ぐようなメモワールを出版して、ただでさえ痛みつけられている自由党の傷をさらにえぐってくれた。 とても総選挙どころではない」
「だからディオン自由党党首は、BQ、NDPの不信任案に同調しないで、スローンスピーチには勿論批判的だが、あえて『棄権』することによって当面の解散を回避しようとしている。 党の立て直しを優先し、あわせて自己の信を問いたい考えなのだろう」
「棄権は苦肉の途だが、保守党にもそういう先例がないわけではない。 しかし今は保守党にとってどう転んでも『勝ち』という『ウィンウィン』の状況だ。 とりあえずは解散も先送りとなるが、いつ解散になってもおかしくない状況だ。 『今国民は総選挙を望んでいない』というディオン党首の言葉は、(自由党に投票する人は少ない)と解釈すべきだろう」
「オタワの暴風雨警報は当分解除される見込みはなさそうだな」
(2007/10/19)
「10月も半ばを過ぎ、オタワに霜がおりようとしている時季になって、やっと議員達も夏休みから戻ってきて、議事堂も再開したね」
「夏休みと言っても、議員達は日光浴をしていたわけじゃない。 選挙区で有権者を招いてバーベキューを振舞ったり、次の総選挙に備えて票固めに余念がなく結構忙しかった」
「議会再開は、恒例によって華麗なスローン スピーチの行事。 カナダの元首はエリザベス女王だが、その代理として女王の椅子にすわるのが総督。 今の総督は、ハイチ生まれの黒人女性 ミカエル ジョンさんだが、議場に用意された女王の玉座、すなわちスローンにすわり、隣にフランス出身の夫君をはべらせて、政府が用意した施政方針を読み上げる。 象徴的な意味合いの強い儀式だが、内容は今後の政府の政策の大綱を示す概論的なもの。 それを書いたハーパー首相をはじめ、閣僚や政府要人、それに上院下院の議員達、そして内外の貴顕紳士淑女が並ぶ中、英仏両語で朗読される」
「総督のまん前にすわってサンタクロースのような衣裳を着た男女のグループは?」
「あれは最高裁判所の判事達。 今年のスローンスピーチは39分だったが、テレビで全国に中継された。 ハーパー首相のアイディアだろうが、プライムタイムに放映するのは初めてのことだそうだ」
「今回は厳正な『法と秩序』の確立を先ず掲げていたが、アフガニスタン、環境対策、銃砲規制、減税など、かねての保守党の主張を追認した形だ」
「もしこれに野党3党がこぞって反対すれば、即解散、総選挙になるが、州レベルでもニユーファンドランドやオンタリオの選挙があったばかり。 サスカチュワンも選挙を控えている。 国民にしてみれば『またか』という感じかもしれない」
「国政をあずかる保守党もつい最近まで支持率は野党自由党と拮抗していたが、ここへきて自由党より優位になってきた。 瞬間的に40%をマークしたが、40%なら、多数派政権が可能になる。 そうなれば直ぐにでも総選挙をしたい所だ。 だが今はまだ慎重に構えている。 時機の熟すのを待っているのかな」
「このスローンスピーチには、BQブロックケベコアもNDP新民主党も不信任案を出す姿勢だが、もし自由党が合流すれば即時解散総選挙という筋書きになる。 しかし自由党はケベックの補欠選挙の惨敗で危機的状況にある。 加えて元首相のジャン クレチアンが内紛に火に油を注ぐようなメモワールを出版して、ただでさえ痛みつけられている自由党の傷をさらにえぐってくれた。 とても総選挙どころではない」
「だからディオン自由党党首は、BQ、NDPの不信任案に同調しないで、スローンスピーチには勿論批判的だが、あえて『棄権』することによって当面の解散を回避しようとしている。 党の立て直しを優先し、あわせて自己の信を問いたい考えなのだろう」
「棄権は苦肉の途だが、保守党にもそういう先例がないわけではない。 しかし今は保守党にとってどう転んでも『勝ち』という『ウィンウィン』の状況だ。 とりあえずは解散も先送りとなるが、いつ解散になってもおかしくない状況だ。 『今国民は総選挙を望んでいない』というディオン党首の言葉は、(自由党に投票する人は少ない)と解釈すべきだろう」
「オタワの暴風雨警報は当分解除される見込みはなさそうだな」
(2007/10/19)

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